2.入退院患者対応

患者様の入退院対応業務も医療事務の大切なお仕事です

 

入院施設のある医療機関では、医療事務が患者様の入退院に関する事務業務を担います。その内容は多岐にわたるため、業務に慣れるまでには、かなりの期間を要します。そこで今回は、業務の具体的なイメージができるように入退院患者対応における医療事務の役割について紹介します。

 

 

【1】入院準備の流れについて

 

1−1.入院指示書の受け取り

患者さまの病気やケガを治療するのに、入院が必要であると判断された場合は、まず医師の指示が記載された入院指示書が事務サイドへまわってきます。入院指示書の内容は、「患者の氏名・生年月日」「今回の入院のきっかけとなった病名」「入院日」「入院する部屋」「食事内容」などが記載されています。

 

1−2.入院カルテの作成

一般的にカルテは外来と入院にわかれており、医療機関にもよりますが、1入院毎に1カルテが必要になります。したがって事務は、各部署が情報を共有できるように、入院指示書の内容を医事コンピューターに入力し、カルテを作成します。もし、ここで入力ミスがあると後の業務に支障をきたすため、内容を再度確認してください。

 

1−3.過去の入院情報などの必要書類を取り寄せる

1入院毎に1カルテの場合は、過去の入院歴の情報も1号用紙(カルテの表)に記載しておく必要があります。そうしておくと、医師や看護師などが過去のカルテや心電図、レントゲンフィルムなどがあることを知ることができ、治療の必要に応じてそれらを病歴室などから取り寄せます。

 

【2】患者対応について

 

 

医療事務は患者さまが入院する前に、本人やご家族に入院に関する手続きや注意時刻を説明しなければいけません。ということで、引き続き、入院が決まった患者さんへの対応についてご説明していきます。


 

2−1.入院案内書を渡す

医療事務は、入院案内書の内容をもとに、入院する際の手続きや注意事項を説明します。入院案内書には、必要な寝具類や日用品、食事や消灯時間など入院する際の守らなければいけないルールなどが記載されています。また、入院費を一定額に抑えるために、高額療養費の説明をします。いったん全額を窓口支払いでも、後で保険者に申請すればお金が戻ってきますが、先に限度額認定証を医療機関に提出すれば、窓口負担が一定額以上になりません。患者さまの多くはこの制度を知らないので、ご案内してあげましょう。

 

2−2.入院当日の病棟への案内

入院当日、患者さまや付き添いのご家族は、受付を訪ねてきます。医療事務は、患者さまが到着したことを病棟へ連絡し、病棟スタッフが迎えにくるか、事務が病棟まで案内するか確認をします。もし介助が必要な場合は、介護専門の病棟スタッフにお願いしましょう。事務が病棟まで案内する場合は、院内の設備などもいっしょに説明しておくといいでしょう。

 

【3】退院手続きについて

 

3−1.退院指示書の受け取り

患者さまの症状が改善され、自宅に戻っていいと医師が判断したら、退院指示書が事務へまわってきます。退院指示書の内容は、「退院日や退院時間」「今回の入院のきっかけとなった病名の転帰」「食事はいつまでか」などが記載されています。事務は患者さまの退院情報を共有するために、薬剤科や栄養科など各部署へ伝達します。もしここで伝達ミスがあると退院時処方や食事にも影響があるので、しっかり行いましょう。

 

3−2.入院費の計算

退院までに入院期間中の治療費を計算します。一般的に入院費は1日から月末締めの翌月10日頃に請求書を配布します。もし、10日よりも前に退院する場合は、先月分と今月分の2ヶ月分の計算が必要になります。カルテの内容を医事コンピューターへ入力し、内容が間違っていなければ請求書を発行・患者さまへお渡しします。このとき、退院証明書も同時に発行しますが、それには入院病名も記載されています。もし悪性腫瘍など本人に知らせていない病名であれば、渡す前に告知しているか確認しておくのがいいでしょう。

 

以上、入退院患者における医療事務の役割についてお伝えしましたが、いかがでしたか?

 

今回は患者対応を中心に紹介しましたが、医療事務はこの他にも病棟の稼働率や平均在院日数を管理する能力が求められています。医療機関を成り立たせていくために、他部署よりも数字に敏感になり、情報発信・提案する力を身に付けていきましょう。